9.4 Azureネットワーキングのガイドライン

Azure仮想ネットワークでは、複数のNICを備えた仮想マシンを作成できます。各NICは1つのサブネットに存在する必要があります。1つのサブネットは、複数のNICに割り当てることができます。各NICには、そのサブネットの割り当てに整合するIPアドレスが割り当てられます。各NICのIPアドレスとMACのペアリングは、NICの順序が変更されたとしても維持されます。

Microsoft Azureにワークロードをマイグレートする際は、次のガイドラインを考慮してください。

9.4.1 Azureへのマイグレーション用のプライベートまたはパブリックIPアドレス

プレミスネットワークをAzureクラウド環境に接続するAzure VPNを設定している場合、ワークロードマイグレーション用にプライベートIPアドレスを使用できます。それ以外の場合は、パブリックIPアドレスを有効にして、レプリケーションネットワーク、カットオーバーネットワーク、およびテストカットオーバーネットワークに割り当てる必要があります。複数のNICを備えたVMの場合、パブリックIPアドレスを使用できるのはプライマリNICのみです。割り当てられるパブリックIPアドレスは、各ネットワークの指定NICに指定されているネットワークとサブネットのアドレス空間のものです。

メモ:PlateSpinがパブリックIPアドレスを必要とするのは、サイト間のAzure VPNを使用できない場合のみです。

プライマリNICのパブリックIPアドレスを有効にした場合、AzureはそのNICにパブリックIPアドレスとプライベートIPアドレスを両方とも割り当てます。Azure VMへの接続の詳細については、Azure VPN上で接続されているワークロードのプライベートIPアドレスとパブリックIPアドレスを参照してください。

9.4.2 Azureにおける複数のNICを備えたWindowsワークロード

AzureはVMに、プライマリネットワークインタフェースに関連付けられているデフォルトゲートウェイを設定します。Azureによって、すべてのセカンダリNICのゲートウェイ情報が削除されるため、これらのセカンダリNICの通信先はプライマリインタフェースと同じサブネットに制限されます。

複数のNICを備えたWindowsワークロードの場合、セカンダリNICを使用して、属しているサブネットの外部と通信できます。Windowsのroute addコマンドを使用して、ルーティングテーブルにセカンダリNICのための別のゲートウェイエントリを追加します。Microsoft Azure Webサイトで、「Create a VM with Multiple NICs」のConfigure Windows VMsを参照してください。

9.4.3 Azure VPN上で接続されているワークロードのプライベートIPアドレスとパブリックIPアドレス

Azure VMには、1つ以上のNICを接続できます。VMのプライマリNICには、パブリックIPアドレスとプライベートIPアドレスを両方とも割り当てることができます。プライベートIPアドレスは、仮想ネットワークの他のリソースからの通信や、プレミスネットワークをAzureクラウド環境に接続するAzure VPNのアドレス空間内に存在するマシンからの通信に使用します。パブリックIPアドレスは、インターネットとの通信に使用したり、Azureクラウド環境の外部にあるマシンとの通信に使用したりすることができます。これらのIPアドレスは、そのVMのプライマリネットワークインタフェースと自動的に関連付けられます。

Microsoftリモートデスクトップクライアントを使用して、Azure VMにリモート接続できます。IPアドレスを次のように指定します。

  • プライベートIPアドレス: お使いのマシンがAzure VPNのアドレス空間に含まれている場合は、VMのプライベートIPアドレスを使用します。

  • パブリックIPアドレス: お使いのマシンがAzure VPNのアドレス空間に含まれていない場合は、VMのパブリックIPアドレスを使用します。

代わりに、Azure VPNに含まれていないアドレス空間を持つマシンから、Microsoft AzureポータルConnect (接続)オプションを使用することもできます。このオプションを使用すると、プライマリNIC用のVMのパブリックIPアドレスに接続するように設定されたMicrosoftリモートデスクトップクライアントが自動的に起動されます。

メモ:お使いのマシンがAzure VPNのアドレス空間に含まれている場合は、このポータル操作を実行できません。