J.2 ツールを使用する前に

J.2.1 Migrate Serverの値のCLI向け事前環境設定

コマンドラインユーティリティを使用する前に、Migrate Serverが正しく設定されていることを確認する必要があります。設定は、コマンドラインユーティリティと同じパスに存在するPlateSpin.Migrate.Console.exe.configファイルでチェックできます。Migrateのインストール後は、次の.configファイルに値がすでに設定されているはずです。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<configuration>
  <appSettings>
    <add key="MigrateServerURL" value="https://localhost/PlateSpinMigrate/"/>
    <add key="ServerDomain" value=""/>
    <add key="psuser" value="administrator"/>
    <add key="pspassword" value="encoded_password"/>
    <add key ="encoded" value="yes"/>
  </appSettings>
</configuration>

このツールは、コマンドを実行する際にこれらの値を使用します。このファイル内の値は、接続するMigrate Serverの設定と一致させる必要があります。

pspasswordキーの値はデフォルトでは空白であるため、エンコードされたパスワードを値として指定する必要があります。パスワードをエンコードするには、encodeコマンドを使用します。コマンドの詳細については、セクション J.2.2, コマンドの理解を参照してください。

ソースワークロードとターゲットプラットフォームのエンコードパスワードを指定する場合、PlateSpin.Migrate.Console.exe.configファイルの次の行で、エンコードキーの値をyesに設定します。指定しない場合は値をnoに設定します。

<add key ="encoded" value="no"/>

J.2.2 コマンドの理解

ツールでサポートされているコマンドを表示するには、次に示すように、コマンドプロンプトでHelpオプションまたは?オプションを指定してツールを実行します。

C:\Program Files\PlateSpin Migrate Client\CommandLine>PlateSpin.Migrate.Console.exe Help

次の表に示すような情報が表形式で表示されます。

表 J-1 Migrate CLIツールで使用可能なコマンド

コマンド

説明

run

設定済みの.iniファイルをスケジュールされたジョブとして実行します。/wait=noパラメータを追加してジョブの実行を開始すると、そのジョブのジョブIDがインタフェースに表示されます。

query

(ジョブIDを指定した場合)ジョブに対するクエリを実行して、その現在のステータスを表示します。

discover

マイグレーションジョブまたは「変換」ジョブに備えて、サポートされているワークロードまたはターゲットコンピュータの詳細をインベントリ収集する操作を実行します。

refresh

検出済みサーバをリフレッシュします。

unDiscover

サーバの情報を破棄します。

imageserver

ワークロードに対するイメージング操作(すなわちサーバのインストールサーバのアンインストールツールのアップデート)を実行します。

abort

スケジュールされたジョブを中止します。

licenseInfo

マイグレートサーバのライセンス情報を表示します。

serversync

サーバでのサーバ同期操作を準備し、環境設定ファイルを使用してサーバ同期ジョブを実行します。

encode

テキストファイル内のテキスト入力またはデータをエンコードします。

massdiscover

ソースワークロードとターゲットの一括検出を実行します。検出されたワークロードとターゲットは、PlateSpin Migrate ClientとPlateSpin Migrate Webインタフェースの両方に表示されます。

ワークロードとターゲットを一括検出するには、最初に、検出したいワークロードとターゲットをCSVファイルに記述する必要があります。このCSVファイルを作成するには、\PlateSpin Migrate Client\CommandLine\Sample INI\MassDiscovery.csvにあるサンプルCSVファイルを参照してください。

これらのコマンドを実行する場合、コマンドラインで必須パラメータを指定する必要があります。また、必要に応じてオプションパラメータを指定することもできます。たとえば、savejob=パラメータは、デフォルトの場所にあるジョブを保存します。

コマンドプロンプトでパラメータのリストを表示するには、パラメータなしでコマンドを実行します。たとえば、次に示すように、パラメータなしでdiscoverコマンドを実行します。

C:\Program Files\PlateSpin Migrate Client\CommandLine>PlateSpin.Migrate.Console.exe discover

この場合、コマンドラインインタフェースに次の情報が表示されます。

[discover]                      サーバを検出します 
必須パラメータ: 
    /machineAddress=      検出するマシンアドレス 
    /userName=            使用するユーザ名 
    /password=            使用するパスワード 
    /type=                windows、linux、vmware_esx、vmware_vcenter
    などのタイプ オプションパラメータ: 
    /network=             接続するネットワーク名 
    /address=             接続先のサーバアドレス 
    /psuser=              このコンピュータにログオンしたユーザと異なるユーザとしてPlateSpin Migrateサーバにアクセスするために使用するユーザ名 
    /pspassword=          このコンピュータにログオンしたユーザと異なるユーザがPlateSpin Migrateサーバにアクセスするために使用するパスワード 
    /wait=                ジョブの完了を待っています[はい,いいえ] 
    /clusterName=         検出するクラスタ名 
    /verbose=             出力の冗長モード[オン,オフ] 
    /output=              出力ファイル 
    /format=              表示される出力形式[text,html,xml] 
    /sslcertificatewarnings=      SSL証明書警告を無視または強制する[無視 | 強制]    

メモ:さまざまなCLIコマンドおよびそれぞれの必須パラメータとオプションパラメータを理解する必要があります。

コマンドライン構文

discoverコマンド(これはジョブでもあります)を実行する場合、コマンドプロンプトで、次の例と同様の構文を使用します。

C:\Program Files\PlateSpin Migrate Client\CommandLine>PlateSpin.Migrate.Console.exe discover /machineaddress=10.10.8.100 /username=administrator /password=password /type=windows /wait=no

この例では、すべての必須パラメータと1つのオプションパラメータが指定されています。

discoverコマンド(ジョブ)が実行を開始すると、次の例に示すようなジョブIDがCLIツールに表示されます。

8be8d306-7665-4869-9795-a9dbb3ce1471

このIDを使用すると、次に示すようにqueryコマンドを使用するだけで、ジョブのステータスを調べることができます。

C:\Program Files\PlateSpin Migrate Client\CommandLine>PlateSpin.Migrate.Console.exe query /id=8be8d306-7665-4869-9795-a9dbb3ce1471

queryコマンドは、ジョブのすべての詳細を含むステータスレポートを生成します。これは、[Migrate Client Jobs(Migrate Clientジョブ)]ビューに表示される情報と同じ種類の情報です。