ネットワーク エミュレーション

ネットワーク エミュレーションの設定

クライアントとサーバーが通信する必要がある場合には必ず、1 つ以上のネットワークを介して 2 者間の接続が確立されます。このネットワーク接続は、通常、データをデータ パケットに分割した送受信に使用されます。

クライアントとサーバー間の接続は、非常に多様な特徴を持つさまざまなネットワークで構成されます。結果として、データ パケットの転送遅延 (待機時間)、データ パケットの損失 (パケット損失率)、一部のネットワークの転送率の低下などを引き起こします。

Silk Performer では、この複雑なネットワーク接続をさまざまなパラメータを設定してエミュレートできます。

  • 待機時間 とは、ネットワーク接続のあるエンドポイントからもう一方へデータ パケットが伝送されるのに必要な時間です。この時間は、ネットワーク メディア (ファイバー ケーブルや無線など) の物理的な速度制限、帯域幅の制約、2 つのエンドポイント間の距離など、さまざまな要因に依存します。ネットワーク接続の待機時間は、時間と共に変化します。この変化をジッターと呼びます。典型的な Web 負荷テストのシナリオでは、ジッターはネットワーク エミュレーションのパラメータとしてはあまり重要ではありません。Silk Performer は、ジッターのエミュレートをサポートしません。
  • 帯域幅 は、データ転送率、ビット レート、またはスループットとして定義されます。ビット/秒 (bps)、kbps、Mbps、Gbps で測定されます。
  • パケット損失率:送信者から受信者にデータ パケットが伝送される途中で失われる場合があります。パケットの損失は、ネットワークやネットワーク デバイスの過負荷が主な原因となります。TCP/IP (Transmission Control Protocol/Internet Protocol) は、組み込みで損失パケット検出が行われ、送信したパケットは一部が損失した場合に再度送信されることによって、確実に伝送されます。パケット損失率が高くなると、TCP/IP レベルでの管理労力が高くなり、データ スループットに多大な影響を与えます。

Silk Performer は、有線、無線ネットワークのさまざまな標準的なテクノロジのプリセット (事前に構成された設定) を提供します。特定のネットワークの条件をシミュレートするために、すべての設定を調整できます。

ネットワーク エミュレーション ドライバ

Silk Performer は、帯域幅の限界値をエミュレートできます。待機時間とパケット損失率には、専用のネットワーク エミュレーション ドライバが必要です。デフォルトでは、ドライバは Silk Performer と一緒にインストールされません。完全なネットワーク エミュレーション機能を使用するには、エージェントで Silk Performer のセットアップ中にドライバをインストールするよう選択してください。

重要: ネットワーク エミュレーション ドライバがエージェントにインストールされている場合のみ、プロファイル設定の ネットワーク エミュレーション ドライバを使用する は有効です。待機時間パケット損失率 の設定は、必要に応じて調整できます。ドライバがインストールされていない場合、このオプションを有効にすると、負荷テストの実行中にエラーが発生します。

次の点に注意してください。

  • ネットワーク エミュレーション ドライバは、すべてのネットワーク アダプタと互換性があるわけではありません。互換性がない場合、マシンまたはネットワークにアクセスできなくなったり、ネットワーク速度が低下する場合があります。
  • ネットワーク エミュレーション ドライバは、現時点では Windows 10 をサポートしません。
  • ネットワーク エミュレーションは、CloudBurst をサポートしません。