12.3 AzureからAWSへのC2Cマイグレーションの前提条件

12.3.1 AzureからAWSへのC2Cマイグレーションの展開

Microsoft Azure CloudからAmazon Web Services EC2 Cloudへのワークロードのマイグレーションでは、AzureまたはAWSにクラウドベースのPlateSpin Migrate Serverを展開できます。

Azure内のMigrate Server

ソースAzure環境で、Azure MarketplaceからPlateSpin Migrate Serverを展開します。Azure MarketplaceのMigrate Serverイメージは、そのホストAzure IaaS環境であるAzureグローバルまたはソブリンAzure Chinaをサポートするように事前設定されています。Migrate Serverとソースワークロードが同じネットワークセキュリティグループにある場合、Migrateディスカバリを使用してワークロード詳細をMigrateに追加できます。図 12-2に、AWS、Azure、データセンターマイグレーション環境のさまざまなコンポーネントの所在とそれらのコンポーネント間の通信を示します。

メモ:図 12-2は、ソースワークロードとMigrate Serverが同じネットワークセキュリティグループにある状態を示しています。これらが別のセキュリティグループにある場合には、ソースワークロード上でMigrate Agentを使用してワークロードを登録し、そのインベントリ詳細をHTTPS (TCP/443)経由でPlateSpin Migrateサーバに送信します。セクション 2.6.2, ワークロード登録の要件およびセクション 22.7, Migrate Agentによるワークロードの登録と詳細の検出を参照してください。

図 12-2 VPNを使用しないAzureからAWSへの自動マイグレーションのためのAzure内のMigrate Server

AWS内のMigrate Server

ターゲットAWS環境で、AWS MarketplaceからPlateSpin Migrate Serverを展開します。Migrate Agentで、パブリックインターネット上のセキュアな通信を使用して、ワークロードをクラウドベースのMigrateサーバに登録します。インターネットアクセスとパブリックIPアドレスは必要です。図 12-3に、AWS、Azure、データセンターマイグレーション環境のさまざまなコンポーネントの所在とそれらのコンポーネント間の通信を示します。

メモ:ブロックベースの転送ドライバをインストール、アンインストール、アップグレードする際には、ソースWindowsワークロードの再起動が必要です。ソースLinuxワークロードでは再起動は不要です。

パブリックインターネット上のAzureのソースワークロードとAWSのPlateSpin Replication Environment間でデータをセキュアに転送するために、データ転送の暗号化を有効にします。

図 12-3 VPNを使用しないAzureからAWSへの自動マイグレーションのためのAWS内のMigrate Server

12.3.2 AWSにワークロードをマイグレートするための要件

ターゲットAWS環境を準備するには、セクション 8.2, アマゾンウェブサービスにワークロードをマイグレートするための要件に記載されている次の情報を確認してください。

ソースワークロードがターゲットAWS設定によってサポートされていることを確認します。

12.3.3 AzureからAWSにワークロードをマイグレートするための要件

ソースAzureネットワーク環境またはターゲットAWSネットワーク環境にPlateSpin Migrate Serverを展開します。VPNを使用しないマイグレーション環境が、C2Cで非VPNのマイグレーションの必要条件を満たしていることを確認します。

お使いのマイグレーション環境が次の追加要件を満たしていることを確認します。

  • Migrate Server上のPlateSpinの環境設定:

    • (Azure内のMigrate Server) ServerIsHostedInCloud: ServerIsHostedInCloudパラメータからazureの値を削除して、[ターゲットの追加]ダイアログに選択肢としてすべてのターゲットタイプが表示されるようにします。AWSターゲットの設定時に、ターゲットタイプとしてAmazon Cloudリージョンを選択します。

  • Azureにより、リモートデスクトッププロトコル(RDP)ポート(TCP/3389)とSecure Shell (SSH)ポート(TCP/22)が、ソースワークロードVMのAzureセキュリティグループに自動的に追加されます。レプリケーショントラフィック用のポート 3725、HTTPSトラフィック用のポート 443など、マイグレーションサービスを提供するためにPlateSpin Migrateが必要とするその他のポートも、ソースワークロードのAzureセキュリティグループに手動で追加する必要があります。

  • マイグレーション用のワークロードログイン要件については、表 22-2, ソースワークロードを対象とするマシンタイプと資格情報のガイドラインのWindowsおよびLinuxソースワークロードのログイン要件を参照してください。

12.3.4 AzureからAWSへの自動マイグレーションのチェックリスト

タスク

説明

ネットワークリソースを準備します。

図 12-2, VPNを使用しないAzureからAWSへの自動マイグレーションのためのAzure内のMigrate Server

図 12-3, VPNを使用しないAzureからAWSへの自動マイグレーションのためのAWS内のMigrate Server

セクション 12.3.1, AzureからAWSへのC2Cマイグレーションの展開

AWSマイグレーション環境を準備します。

セクション 12.3.2, AWSにワークロードをマイグレートするための要件

PlateSpin Migrate用のAzureソースワークロードを準備します。

セクション 12.3.3, AzureからAWSにワークロードをマイグレートするための要件

ターゲットクラウドプラットフォームを検出します。

セクション 21.4.2, Webインタフェースでのターゲットの検出

ソースワークロードを検出します。

オプションで、Migrate Agentを使用してAWS内のクラウドベースのMigrateサーバにソースワークロードを登録できます。

セクション 22.6.2, Migrate Webインタフェースでのワークロード検出

-または-

セクション 22.7, Migrate Agentによるワークロードの登録と詳細の検出

ターゲットワークロードマイグレーションを設定します。

セクション 29.2, アマゾンウェブサービスへのワークロードのマイグレーションの設定

マイグレーションを実行します。

セクション 40.0, ワークロードのマイグレーションの実行