12.4 AzureからvCloudへのC2Cマイグレーションの前提条件

12.4.1 AzureからvCloudへのC2Cマイグレーションの展開

Microsoft AzureからVMware vCloud Directorへのワークロードのマイグレーションでは、オンプレミスのPlateSpin Migrate Serverをソースネットワークに展開します。オンプレミスのMigrate Serverでは、データセンターとAzure間およびデータセンターとvCloud間に、サイト間VPNゲートウェイが必要です。図 12-4に、Azure、vCloud、データセンターマイグレーション環境のさまざまなコンポーネントの所在とそれらのコンポーネント間の通信を示します。

図 12-4 AzureからvCloudへのマイグレーションのためのオンプレミスのMigrate Server

別の方法として、ソースAzure環境でAzure MarketplaceからPlateSpin Migrate Serverを展開することもできます。VPNは必要ありません。Azureサーバがソースワークロードと同じネットワークセキュリティグループにある場合、ディスカバリを使用してAzureにワークロードを追加できます。 データ暗号化を使用して、レプリケーション用データのパブリックインターネット上でのセキュリティを確保します。図 12-5に、Azure、vCloud、データセンターマイグレーション環境のさまざまなコンポーネントの所在とそれらのコンポーネント間の通信を示します。

メモ:図 12-5は、ソースワークロードとMigrate Serverが同じネットワークセキュリティグループにある状態を示しています。これらが別のセキュリティグループにある場合には、ソースワークロード上でMigrate Agentを使用してワークロードを登録し、そのインベントリ詳細をHTTPS (TCP/443)経由でPlateSpin Migrateサーバに送信します。セクション 2.6.2, ワークロード登録の要件およびセクション 22.7, Migrate Agentによるワークロードの登録と詳細の検出を参照してください。

図 12-5 VPNを使用しないAzureからvCloudへのマイグレーションのためのAzure内のMigrate Server

12.4.2 vCloudへのマイグレーションの要件

ターゲットvCloud環境を準備するには、セクション 10.2, VMware vCloud Directorへのワークロードマイグレーションの計画に記載されている情報を確認してください。

ソースワークロードがターゲットvCloud設定によってサポートされていることを確認します。

12.4.3 AzureからvCloudにワークロードをマイグレートするための要件

Asure内のソースワークロードの場合:

  • Azureにより、リモートデスクトッププロトコル(RDP)ポート(TCP/3389)とSecure Shell (SSH)ポート(TCP/22)が、ソースワークロードVMのAzureセキュリティグループに自動的に追加されます。レプリケーショントラフィック用のポート3725、HTTPSトラフィック用のポート443など、マイグレーションサービスを提供するためにPlateSpin Migrateが必要とするその他のポートもソースワークロードのセキュリティグループに手動で追加する必要があります。

  • Windowsワークロードでは、ユーザ名とパスワードを使用します。

  • Linuxワークロードでは、ルートユーザまたはルート相当ユーザを使用します。

AzureからvCloudへのワークロードのマイグレーションに、オンプレミスのMigrate Serverを使用するには:

  • データセンターとAzure環境の間にサイト間VPNを展開します。

  • データセンターとVMware vCloud Virtual Private Cloudの間にサイト間VPNを展開します。

  • オンプレミスのMigrate ServerでVPNを使用するため、Migrate Server用にプライベートIPアドレスを使用できます。

  • ソースおよびターゲットネットワークが次の要件を満たしていることを確認します。

  • VPNが使用できるのでMigrate Agentは必要ありませんが、これも機能します。登録のためのネットワークポートとファイアウォールの要件については、セクション 2.6.2, ワークロード登録の要件を参照してください。

VPNを使用しないAzureからvCloudへのワークロードのマイグレーションに、クラウドベースのMigrate Serverを使用するには:

  • ソースAzureネットワーク環境にPlateSpin Migrate Serverを展開します。VPNを使用しないマイグレーション環境が、C2Cで非VPNのマイグレーションの必要条件を満たしていることを確認します。

  • Migrate Server上のPlateSpinの環境設定:

    • (Azure内のMigrate Server) ServerIsHostedInCloud: ServerIsHostedInCloudパラメータからazureの値を削除して、[ターゲットの追加]ダイアログに選択肢としてすべてのターゲットタイプが表示されるようにします。vCloudターゲットの設定時には、VMware vCloud組織オプションを選択します。

12.4.4 AzureからvCloudへの自動マイグレーションのチェックリスト